治療を行っていく上で疑問や心配事が浮上するのも当然ですね?
得に医学的内容については専門科の意見を聞くのが一番です!
「皆さんの掲示板」やメール
に寄せられた質問にお答えするページを設けました。
( 解答の御協力はミオ・ファティリティ・クリニック院長・見尾保幸先生にお願いしています。)
月々の月経周期に発育する卵胞は1個ではなく約10〜20程度が発育を開始します。その内で女性ホルモンを卵胞でどれだけ多く作れるかにより、自然に発育する卵胞の数が減少し、最終的に1〜2個が成熟して排卵します。この調節は下垂体からのFSHというホルモンにより行われます。途中で消えていった(死んでいった)卵胞は卵自体の異常ではなく、卵を取り囲んでいる細胞のホルモンを作る量が少ないために生き残れなかっただけです。我々が卵胞発育を促すために用いる排卵誘発剤(私はこの表現は大嫌いですが・・)は下垂体から出ているFSHを身体の外から投与するものです。天然のホルモンを外から与えるだけです。それにより、ホルモンが沢山作られるようになり、途中で消えずに成熟するまで発育できるのです。その中の卵には何の差も、異常もありません。このことは、世界中の専門家が全員確認していることです。ある日本の一部の医者が色々とマスコミに話していることは承知していますが、専門家は誰も信じていません。ことに、そういった内容は彼らも論文に書いていません。論文として専門雑誌に世界の専門家から掲載の許可を得て載ったことだけが事実として認定されるのです。我々は、雑誌に掲載されたことのみを信じ、自分たちも雑誌に掲載されるような新しい事実を見つけるよう頑張っているのです。どうぞ、安心して下さい。hMG(FSHを含む注射薬)は卵に対して何のマイナスもありません。世界中の専門家が同じ見解です。 |
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女性の類い希な新しい生命を生み出す能力、すなわち、妊娠した胎児を臓器移植の臓器と同じように拒絶するのでなく、これは臓器、これは自分の赤ちゃんと区別して認識でき、自分の赤ちゃんのみを受け入れ、拒絶せず育てることが出来る、この能力があるからこそ女性が子供を産むことができるのです。この仕組みは免疫学の根幹であり、詳しいことは未だ不明です。しかし、最近、この女性の本来持っている免疫学的機能がうまく作動せず、妊娠した際に胎児を異物として免疫的に拒絶する事により妊娠が排除されたり、流産に至ったり、あるいは妊娠中に妊娠中毒症になる女性が存在することが明らかとなってきました。この点を調べるのが、ご質問の項目だと思います。 一般的には、抗カルジオライピン抗体、ループスアンチコアグラント、等と言われる「抗リン脂質抗体」がそれに当たります。この検査は採血により簡単に出来ます。しかし、この検査が陽性で、これにより着床障害を来している方は極めて少ないと思います。ただ、治療法がありますので(どの程度有効かは明らかではありませんが・)、ご希望の方は申し出られれば良いと思います。もう一つ、組織適合性抗原、普通はリンパ球の型(HLA抗原)と呼んでいますが、これも流産の原因として考えており、これも検査できますが、どの程度妊娠出来ない原因と関連するかは不明だと思います。言えることは、この領域の検査治療はまだ手探りで、因果関係ははっきりしていません。新しいトピックスとして、強調している医者もいれば、全く信用していない医者も居ます。小生もどちらかといえば懐疑的に考えていますが、明らかにそれらしく、例外的な患者さんでは真剣にこれらを検査し、治療を試みています。しかし、一般的に誰にでもそれが必要とは思えません。返事になりましたでしょうか?何かまだありましたら遠慮なくご質問くださいませ。 現在も主流の、着床に適した子宮内膜の評価法
着床に関する研究は勿論進められていますが、生殖医療の分野では一番の難関の分野で、確実に評価できる方法がいまだ確定されていないのが現実のようです。ですから現在でも主として行われている事は、
などですが、いずれにしても着床の分野にとらわれる事なく、生殖医療を行う上で治療を開始する時点から、採卵・培養・胚移植、そしてその後のケアに至まで、トータルした医療をいかに高いクオリティを維持しながら患者さんに提供していけるかが、妊娠成立のカギになっている事は間違いありません。身体にとって、卵にとって、精子にとって優しい環境をあたえてあげることが一番大切な事として考えられ、それこそが今、世界中で取り上げられている所以なのです。 |
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正直いって、大変な時代がやって来た・・、という思いで一杯です。 |