治療を行っていく上で疑問や心配事が浮上するのも当然ですね?
得に医学的内容については専門科の意見を聞くのが一番です!

  「皆さんの掲示板」やメール
に寄せられた質問にお答えするページを設けました。

( 解答の御協力はミオ・ファティリティ・クリニック院長・見尾保幸先生にお願いしています)

 

 

 

 

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M35Aさんのご質問
セントの先生が「誘発剤を打ってできた卵子は受精が難しい」というような事を言ってた事です。私の聞き間違えでしょうか。自分自身が「もしかしてそうじゃないかな」と考えたことがあり、見尾先生にそんな質問をした事があるからです。

 
KSさんのご質問
着床障害の検査」というフレーズがあって、いつごろ、どんな検査をするのかな??と思いました。

 
ちゃらさんのご質問
この1,2年の間にクローン技術は本当に人間に応用されるのでしょうか?そうなったら実際にどんな問題がおこるのでしょうか?どうしてもピンとこなくて。自分の不妊とはえらくかけ離れている内容で・・・。

 

 

 

 

 

月々の月経周期に発育する卵胞は1個ではなく約10〜20程度が発育を開始します。その内で女性ホルモンを卵胞でどれだけ多く作れるかにより、自然に発育する卵胞の数が減少し、最終的に1〜2個が成熟して排卵します。この調節は下垂体からのFSHというホルモンにより行われます。途中で消えていった(死んでいった)卵胞は卵自体の異常ではなく、卵を取り囲んでいる細胞のホルモンを作る量が少ないために生き残れなかっただけです。我々が卵胞発育を促すために用いる排卵誘発剤(私はこの表現は大嫌いですが・・)は下垂体から出ているFSHを身体の外から投与するものです。天然のホルモンを外から与えるだけです。それにより、ホルモンが沢山作られるようになり、途中で消えずに成熟するまで発育できるのです。その中の卵には何の差も、異常もありません。このことは、世界中の専門家が全員確認していることです。ある日本の一部の医者が色々とマスコミに話していることは承知していますが、専門家は誰も信じていません。ことに、そういった内容は彼らも論文に書いていません。論文として専門雑誌に世界の専門家から掲載の許可を得て載ったことだけが事実として認定されるのです。我々は、雑誌に掲載されたことのみを信じ、自分たちも雑誌に掲載されるような新しい事実を見つけるよう頑張っているのです。どうぞ、安心して下さい。hMG(FSHを含む注射薬)は卵に対して何のマイナスもありません。世界中の専門家が同じ見解です。

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女性の類い希な新しい生命を生み出す能力、すなわち、妊娠した胎児を臓器移植の臓器と同じように拒絶するのでなく、これは臓器、これは自分の赤ちゃんと区別して認識でき、自分の赤ちゃんのみを受け入れ、拒絶せず育てることが出来る、この能力があるからこそ女性が子供を産むことができるのです。この仕組みは免疫学の根幹であり、詳しいことは未だ不明です。しかし、最近、この女性の本来持っている免疫学的機能がうまく作動せず、妊娠した際に胎児を異物として免疫的に拒絶する事により妊娠が排除されたり、流産に至ったり、あるいは妊娠中に妊娠中毒症になる女性が存在することが明らかとなってきました。この点を調べるのが、ご質問の項目だと思います。 一般的には、抗カルジオライピン抗体、ループスアンチコアグラント、等と言われる「抗リン脂質抗体」がそれに当たります。この検査は採血により簡単に出来ます。しかし、この検査が陽性で、これにより着床障害を来している方は極めて少ないと思います。ただ、治療法がありますので(どの程度有効かは明らかではありませんが・)、ご希望の方は申し出られれば良いと思います。もう一つ、組織適合性抗原、普通はリンパ球の型(HLA抗原)と呼んでいますが、これも流産の原因として考えており、これも検査できますが、どの程度妊娠出来ない原因と関連するかは不明だと思います。言えることは、この領域の検査治療はまだ手探りで、因果関係ははっきりしていません。新しいトピックスとして、強調している医者もいれば、全く信用していない医者も居ます。小生もどちらかといえば懐疑的に考えていますが、明らかにそれらしく、例外的な患者さんでは真剣にこれらを検査し、治療を試みています。しかし、一般的に誰にでもそれが必要とは思えません。返事になりましたでしょうか?何かまだありましたら遠慮なくご質問くださいませ。

  現在も主流の、着床に適した子宮内膜の評価法

超音波(スキャン)による内膜の厚さの計測

子宮鏡による内膜の観察

黄体ホルモン値

子宮卵管造影法(HSG法)

子宮内膜日付診(子宮の内膜を採取して観察します。)

    
などなどがあります。

着床に関する研究は勿論進められていますが、生殖医療の分野では一番の難関の分野で、確実に評価できる方法がいまだ確定されていないのが現実のようです。ですから現在でも主として行われている事は、

受精卵の殻の部分を薄くする方法(Assisted hatching)

受精卵の培養の工夫・・・・
[5日間培養(胚盤胞移植)・3日間培養(通常2日の培養期間   を1日長く培養)]

その他・・・・
子宮内膜の細胞と受精卵と一緒に培養する共培養法

などですが、いずれにしても着床の分野にとらわれる事なく、生殖医療を行う上で治療を開始する時点から、採卵・培養・胚移植、そしてその後のケアに至まで、トータルした医療をいかに高いクオリティを維持しながら患者さんに提供していけるかが、妊娠成立のカギになっている事は間違いありません。身体にとって、卵にとって、精子にとって優しい環境をあたえてあげることが一番大切な事として考えられ、それこそが今、世界中で取り上げられている所以なのです。

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正直いって、大変な時代がやって来た・・、という思いで一杯です。
クローンとは同じ遺伝子を持った個体を一度にたくさん作ることを言います。
昔からの代表的クローンは1卵性双胎。それと異なり、今問題のクローンは、卵ではなく、色んな動物の体の細胞を初期化(ニュートラルの状態:全能性:何の臓器にでも発育分化できる受精卵の4細胞までの分割球と同じ能力を持った細胞)して、この細胞の核を取り出して卵の核を抜いた卵に注入して、受精卵を作るものです。従って、今回の場合は、男性の身体の細胞を初期化してその細胞の核を、奥さんの卵に卵の核を抜いた後注入して、受精卵を作り、全く男性と同じ染色体の個体を作ろうと試みています。このように、例えば精巣のないヒト、無精子のヒト、の体細胞で一人の人間ができるのです。技術は他の動物で確立されているので、可能でしょう。確率がどの程度かの問題ですが。これが、いったん開始するとなし崩しで、人間の細胞を使ってどんな人間でも理論的には作れることになるでしょう。もちろん、人間の細胞から試験管で臓器を作って、移植することも可能となる。不老不死、にも近づけるのでは?つまり
生命の誕生を人の手で自由に操つれるのです。勿論配偶子も必要とせずに・・・。(もらってきた卵と生きた細胞があれば良いのだから。)
唯一無二、かけがえのない個人・そして命。この有史以来の大原則が崩れてしまう。崩れるということがどんな事に繋がって行くのか想像だに出来ないと思います。合わせてこの技術を使って誕生した人間が周囲からの差別や偏見にあう事なく本当に生まれてきて良かったと思えなければ、「人の願いをかなえる素晴らしい技術」とは言えないのでは・・・?

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