不妊に悩む方々と不妊治療の専門家との公開討論会

  〜望ましい不妊医療を考える〜  

                      (11月11日(土)岡山:PM1:00〜5:00)

主    催:日本生殖医療研究協会

参加者は100名くらい。その内、7割が一般の方のようでした。会は二部構成で、第一部は専門家による講演会、第二部は参加者からの質問に5施設の専門家が答える質議応答のコ-ナー。たくさんの質問が寄せられていました。

 第一部(講演会)

  • 「不妊カウンセリングにおける心理カウンセラーの役割」 三宅医院心理カウンセラー   森ともえ先生

カウンセラーからの素敵な提案

  • 「不妊カウンセリングによる患者サポートの必要性」   虎の門病院産婦人科部長        佐藤孝道先生

  • 「今日の生殖医療」      日本生殖医療協会会長 国際医療技術研究所理事長  荒木重雄先生

講演会では、生殖医療を行っていく上で大変重要な役割を占めるメンタルケアについてのお話が主なものとなりました。メンタルケアの内容とは、生殖医療治療を受ける事について決してレールに乗せられた医療の施しを受けるのではなく、医療内容を十分に患者さんが理解し、安心して治療を受ける事が出来る環境をつくり医療者と患者が一体となって問題(不妊)に立ち向かって行こうというハード面のサポート、そして医療を受ける側も夫婦とは何か、子供とは何か、他の人の権利の尊重、治療の選択などについて自分達なりの考えを得ていくための道しるべを提案していくソフト面でのサポートということです。

 第二部(質議応答)

参加された御夫婦が日頃思っておられる疑問をあらかじめ会の始まる前に記していただき、その質問に対して5人の専門家による解答が行われました。解答をしてくださったのは、

  • 國方先生(岡山 三宅医院)
  • 金森先生(岡山中央病院)
  • 見尾先生(鳥取 ミオ・ファティリティ・クリニック)
  • 佐藤先生(東京 虎の門病院)
  • 荒木先生(東京 日本生殖医療協会)

 主な質議内容はここをクリック!! 

         ***みなさんが日頃思っておられる事と同じかもしれませんよ? 

 そして・・・<yokoの思い>はここをクリック!! 

参加医療機関:

  • 医療法人サンクリニック
  • 広島大学医学部産婦人科
  • 内田クリニック
  • ミオ・ファティリティ・クリニック
  • 岡山中央病院
  • 三宅医院

〜たくさんの参加者からの質議応答のようす〜

 

講演の中で森先生が心の持ち方について素敵な提案をして下さいましたので、ご紹介します。

「より健康、より幸せに」近づくための5つの提案

1.自分の素敵さをもう一度見直してください。

貴女の素敵さを改めて口に出して教えてもらってください。またお返しに相手の素敵な所も教えてあげてください。

自分が短所だと思っている所も良い方向から見た素敵な言葉に変えてみて下さい。

2. 恐れず、ストレスのもとを見つめてください。

怖がっているとお化けに見える物でも、よく見ればただの松の木だったりするものです。

ストレスの正体のもとを知ると乗り越え方が分かりやすくなりますよ。

3. チャレンジしてみてください。

取り組んで失敗する確立は50%ですが、やってみなければ成功する確立は0%です。できる部分から、焦らずゆっくりやってみましょう。

「チャレンジするか、やめておくか」半々の気持ちの時には、前に一歩出る方を選んだ方が精神衛生にはいいようです。

4. 結果で無く取り組む事自体に意味を探してください。

夫婦2人で思いを寄せ向き合って前に歩こうとすること自体に何か意味はないでしょうか?目の前の結果だけにとらわれると

アップダウンの強い感情に飲み込まれ、ストレスにまけてしまいがちです。

5. となりの人に声をかけ、気持ちを聞いてみる。

できるだけたくさん、自分をいろいろな面で支えてくれる人を探してみてください。身近な夫や両親だけにサポートを

求めることは、親指だけで懸垂するのと似ています。愛情を確認するのは夫、でも一緒にお茶お飲んだりできるA子さん、

コンサートには音楽好きのB子さん、病気でねこんだりした時買い物が頼めるC子さん。

勿論、治療に関してはかかりつけの医師や不妊カウンセラーに遠慮なくご相談ください。

 

 

 

 

 

   

<ちょっと一言・・・・yokoの思い>

生殖医療の実施がスタートした頃に比べ、治療内容も充実し選択肢も増え妊娠への可能性が増えてきた事、また、このような心理面での不安を解消しようという環境作りに力が注がれつつある事は、大変意義があり喜ばしい事と思います。そして治療を受ける私達も自分が何の為に治療を受けていくのかを改めて考えなおし、ただ漠然と治療を受ける事でなく、主体性を持ち、自分達夫婦は何がしたいのか、自分達の生活の中で子供がいること、いない事をどう考えて行くかをもう一度きちんと冷静に受け止めて行くと不妊治療を行う上での自分達の目標が定まっていくのではないかと思います。とは言っても、私達だって感情のある人間です。時には大泣きすることだってあります。ただ、感情がたとえ乱れても目標とする支えがあれば、必ずその心の乱れも修復出来るし、明るい気持ちにだってもどれると思う。大切なことは、妊娠出来ても出来なくてもそれに向かって自分なりのひたむきな努力を経験した、それこそが自分の誇れる一部として納得していけることではないかしら・・・、そう思います。虎の門病院の佐藤先生が講演の中で、「不妊治療の技術は私達の生活の中の『道具』です」とおっしゃっていました。『道具』にだけふりまわされる事無く、その道具をいかに自分の生活に上手く取り入れていくか、それこそが不妊治療を受けていく大きなポイントとなるのではないでしょうか?それと、不妊症を扱う専門施設は全国に約300施設程あるようですが、各施設での患者さんに対してのしっかりとした情報の提供や相互のコミュニケーションなど風通しの良い環境で治療が行われているか、ということは大変重要なことだと思います。是非とも皆さん自身の目でふさわしい場所を見極めてご自分達が納得の行く医療を受けていただきたいとおもいます。