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     日本中国友好協会米子支部    

米子支部ニュース

   

2020.6.26

鳥取県米子市三本松4-9-9
電話・FAX 0859-32-4868
Eメールアドレス nicchu-y@sanmedia.or.jp
ホームページ http://www2.sanmedia.or.jp/nicchu-y

   みなさん、お元気ですか!
    

  「緊急事態」が解除となり、県を跨ぐ移動もできるようになったり、徐々に普
  通の生活がもどりつつありますね。
   公の施設も、「3密」にならぬよう気をつけながら、使用できることになりま
    したので、太極挙や中国語教室は、以前のよう開催できるようになりました。
   しかし、都会の方では、まだまだ感染者か発生している所もあり、私たちも油
  断せず、気をつけながら活動しましょう。

   2020年度
     米子支部総会について
   6月5日の支部理事会では コロナ禍のもと、さまざまな催しが延期や中止に
  せざるを得ないという状況ですが、毎年8月に開催している『支部総会』につい
  て相談し、下記のように決めました。
  ★ 一年に一度、全会員が顔を合わせ、交流する『支部総会』なので、予定通り
   8月22日(土)午後2時より、米子市公会堂で開催する。
  ★ 開催に当たっては、手指の消毒、集会室の換気、間隔を空けて座るなど、感
    染予防には十分注意すること。
  ★ 参加ができない方は、予め送付する「議案書」を読んで、自由に感想などを
   書いていただく文書参加とする。
  
  協会70周年記念祝賀会は、来春まで延期とします
     

  12月5日(土)米子産業体育館
    太極拳まつり
  さぁ!みんなで準備しましょう!

   12月の『太極拳まつり』に向けて、地道な練習が、各教室で始まっています。

   
  なんとなくモヤモヤと過ごした”自粛生活”がやっと終わり、のびのびと太極拳ができる喜び!
   暑い中、マスクをつけて、熱中症にもきをつけながら、練習する淀江宇田川公民館の仲間たち。

   中国語教室も再開!

   金曜日(中級クラス)と木曜午前(初級クラス)が再開し、熱心に学習しています。



    新型コロナの「緊急事態」と
  憲法の「緊急事態」条項
    高橋 敬幸

  憲法の効力を停止する「緊急事態」条項
  今年の5月3日の憲法記念日は新型コロナを取り込んだ改定新型インフルエン
 ザ特措法の定める「緊急事態」に託(かこつ)けて、憲法に「緊急事態」条項(国
 家緊急権ともいいます。)を入れる改憲論の是非が新聞紙上を賑(にぎ)わせまし
 た。
  国家緊急権は、国家が憲法にのっとって活動することが不可能な異常事態を想定
 し、憲法の効力を一時停止し、行政権=政府に強力なフリーハンドを与え、人権保
 護規定を停止するなどの非常措置をとることによって秩序の回復を図る権限のこ
 とをいい、その権限の根拠となる規定を緊急事態条項といいます。
  特措法上の緊急事態は、新型インフルエンザ等が蔓延し、国民の生命に重大な影
 響を及ぼす恐れがある事態を意味し、憲法の効力を停止する効果はありません。一
 方、憲法の「緊急事態」は、憲法の効力を停止する効果があります。

なぜ今か…ナチスの『手口』
  大日本帝国憲法(明治憲法)には、緊急勅令、緊急財政処分、戒厳、非常大権と
 いう4つの緊急事態条項がありました。
  1925年に制定された治安維持法について、1928年の国会に処罰範囲を拡
 大し最高刑を10年の刑から死刑に厳罰化する改定案が出されましたが、反対論が
 多くて可決されず、国会が閉会された後に天皇の緊急勅令で改定されました。
  ワイマール憲法下のドイツにおいても、ナチスドイツは、1933年2月27日
 の国会議事堂炎上事件を利用し、その翌日に「緊急事態」条項(大統領緊急令)を
 使って共産党の国会議員81人全員の身柄を一斉に拘束し、国会での反対派を少な
 くし、授権法(全権委任法)を国会で成立させ、独裁を実現しました(集英社新書
 「ナチスの『手口』と緊急事態条項」参照)。
  日本国憲法は、これらの歴史の反省から、憲法に、「緊急事態」条項を規定しま
 せんでした。緊急事態には、事前に個別の法律を準備して対応するというスタンス
 です。現に、感染症に対しては感染症法や免疫法、新型インフルエンザ対策特措法
 などがあります。原発事故には原子力災害対策特措法があり、災害全般については
 災害対策基本法があります。

  民主主義を破壊する自民党の憲法改正草案
  自民党の日本国憲法改正草案(2012年4月)の98、99条は、「内閣総理
 大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震
 等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態」において「内閣は法律
 と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必
 要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることがで
 きる。」という「緊急事態」条項を定めています。
  つまり、国民の代表である国会の十分な議論を経ずに、国民の権利を制限し、義
 務を設定できます。例えば刑事訴訟法の逮捕の要件を内閣限りの判断で変えたり、
 裁判所法を変える政令を使って、裁判所の権限を奪うこともできます。地方自治を
 内閣の意思で制限できますので、総理大臣の意に沿わない自治体の長(辺野古基地
 問題で対立する沖縄県知事)を罷免することもできます。実際、ワイマール憲法下
 のドイツでは、中央政府が、緊急事態条項を使って社会党系のプロイセン政府の指
 導者を罷免しました(木村草太「緊急事態条項の実態は『内閣独裁権条項』である」
 参照)。

感染症と新自由主義     
  今の危機の進行は、憲法やこれらの法律に不備があるからではありません。政府
 と大企業による新自由主義、生存権軽視・儲け優先の政策で、この間、国立感染症
 研究所の予算を3分の1に減らし人員も減らし、保健所を半分近くに削減し、病院
 のベッドを減らし、市町村合併で住民への細かい対応ができないようにしてしまっ
 た。それが今の危機の根っこです。
  新自由主義は、全て市場に任せておけば上手くいく、市場に参加する個人も企業
 も公共の利益を考える必要はなく自分の利益を追求すればよい、そうすることで市
 場の調整能力が働き公共善が達成される、というものです。アメリカではレーガン、
 イギリスではサッチャー以降、日本では小泉政権以降、「構造改革」と称して国家
 政策で推進してきました。そのつけが今回ってきているのです。

  憲法“改正”の動きに警戒を
       緊急事態中は、基本的人権の「保障」は停止されます。
  そもそも憲法とは、国家権力の根拠となると同時にその発動・行使を制限し、国
 民の権利を保障するための法です。ですので、権力者が独断的に行動することはで
 きず、権力を発動して国民の権利を制限するには、制限の必要性・合理性を明示し
 たうえで、憲法の定める手続き、つまり、国会で法律を制定して行うことが必要で
 す。
  「緊急事態」条項は、憲法秩序を停止し政府=内閣に権限を集中し人権保障を停
 止させるのですから、ひとたび濫用されると、取り返しはつきません。
  今後とも、憲法改正(実態は改悪)の動きに警戒していきましょう。