塗装に関わる「菌」

菌に関して


建物に発生する「カビ」や「コケ」は水を使ったり、水が掛かったり、水はけが悪い場所に発生するようです。
一番の防止策は、換気を良くする事なのですが、それを取り除いたり、封じ込める為にいろいろな塗料
が開発・使用されています。
以前の水溶性のエマルジョン塗料は、貯蔵中に微生物が液中に増殖して変質し、塗装面に激しくカビを発生しました。
しかし、最近では、塗料に微生物の発育を防止する薬剤(サイアベンダゾール・プレベントール・デヒドロ酢酸)が開発され、使用されるようになりました。
防カビ塗料(オーストリアのZUMA社生産の#77(油性)と#2000(水性))は効果抜群。
アルテルナリア菌・・・黒と白の色(ビニールクロス・石膏ボード・塗装面)本来は、農作物の病原菌です。
住宅内部での、暖房・停止した湿気により繁殖、いろんな疾患原因となっています。プラスチックと密接に関係しています。
フザリウム菌・・・白・ピンク・紫など(土中・モルタル塗装面・ビニールクロス・植物・食品・プラスチック製品)代表的土壌菌です。木材・繊維・プラスチックを分解・変形させる作用をもっています。住宅の場合、内装材表面に繁殖し、クーラーなどにより胞子が循環放出され、目の病気やいろんな疾患原因となります。



麦のアカカビ病。

 
  • クラドスポリウム菌・・・黒色・オリーブ色(ビニールクロス・紙・植物)

     

  • オーレオバシディウム菌・・・黒色(砂壁・ビニールクロス)

     

  • トリコデルマ菌・・・緑色(プラスチック・塗装面・繊維・土壌)代表的土壌菌。元来は、農作物の病原菌です。飛散しやすい胞子によりゼンソクを誘発します。

     

  • フォーマ菌・・・ピンク色

    住宅と菌
     

    日本は湿気の多い温暖な気候の風土です。少しでも「風通し」が良いように工夫されていた以前の住宅に対し、最近の住宅は、「気密性」に重点を置いています。

    カビ発生の原因は、室内が年中暖かく、湿気がこもって、換気が悪い事です。それと、ビニルクロスと塗料の成分にカビの栄養源が含まれている事です。

    栄養価の高い胞子を食べに集まるダニなどが原因で、「ぜんそく」や「アレルギー疾患」が起こります


    住宅に発生するいろんな カビ
     

     
  • クラドスポリウム・・・「黒カビ」と呼ばれています。浴室のタイルや湿気のある壁面に発生します。集団を作ると黒く緑っぽく見えます。胞子の飛散により、周囲へ広がっていきます。乾燥・低温に強く、いたる場所で確認することが出来、アレルギー疾患の原因にもなります。

     

  • ペニシリウム・・・「青かび」と呼ばれます。抗生物質「ペニシリン」の開発に利用されました。食品などに繁殖し、青緑色の集団を作ります。水分を好み、湿気のある畳や結露した場所などに発生します。

     

  • アスペルギルス・・・「コウジカビ」です。みそ・しょうゆや酒の製造に欠かせないものです。白・黒・黄・緑など、いろんな色があります。主に食品類に発生しますが、大量に発生した場合、アレルギー疾患の原因となります。

     

  • アルテルナリア・・・「ススカビ」です。住宅の壁などにスス状に発生します。プラスチックや塗料を汚染するやっかいなものです。胞子は軽く、空中を浮遊する為、気管支ぜんそくや過敏性肺臓炎のアレルゲンと言われています。土壌に多く分布し、柿やりんごの斑点病を起こします。

     

  • ワレミア・・・「好乾性菌」と言われ、ゴミ・フケ・食品クズのような有機物に繁殖し、アズキ色やチョコレート色をしています。

     

  • ケトミウム・・・「タマカビ」と言われています。繊維素を分解、腐食させます。オリーブ褐色の粒状の集団を作ります。壁・衣類・畳などに繁殖します。

     

  • オーレオバシディウム・・・バスルーム・ビニールクロス・洗濯機のホースなどに発生し、黒色で光沢があります。粘液状で増殖する為、汚れが落ちにくく、除菌もしにくいです。

     

  • ロドトルラ・・・バスルームで見ます。赤やピンク色をしていて、アカや石けんの酵素を栄養源としています。タイルの目地などに発生します。

     

  • フザリウム・・・「赤カビ」です。室内クロス壁などに繁殖すると、赤紫色の集団を形成します。感染した食物を食べた場合毒素の作用で食中毒を起こします。

     

  • ユーロチウム・・・ワレミアタイプの「好乾性菌」で、青緑色や黄色の集団を作ります。カメラやビデオのレンズ面に繁殖したり押し入れの衣料・皮革製品に良く発生します。
   
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